看点：退廃なセレブリティたちの夢中さがどんどんエスカレートしていく《悪徳の栄え》という小説についての物語。 この映画は、昭和10年の東京を舞台に、一群の退廃的な金持ちたちがますますマルキ・ド・サドの小説『悪徳の栄え』に執着していく様子を描いています。物語は、不知火公爵（清水紘治）が、劇団員たち全員が犯罪者で、妻の珠江（李星蘭）を主演に迎え、舞台劇として『悪徳の栄え』を演出することから始まります。公爵は、劇団員の犯（牧野公昭）に命じ、裏で妻を犯させるという演出を行いますが...... この作品は、サドの原作を劇中劇として使用し、昭和初期の退廃的な貴族の姿をエロティシズム満点で描いています。実相寺昭雄監督ならではの異色作品であり、倒錯と欲望、そして退廃を美しい映像美で深く探りながら、狂気的な孤独感が巧みに描かれています。また、昭和初期の東京を舞台にしたことから、実相寺監督の前作『帝都物語』と相互補完する作品としても高く評価されています。清水紘治の上品で狂気的な演技も特筆すべきです。 この斬新なサスペンスミステリーは、奇才・実相寺昭雄監督が描く物語です。マルキ・ド・サドの代表作《悪徳の栄え》をモチーフに、上流階級の犯罪者たちが演じる舞台が、現実と虚構が絡み合い、狂気の愛の世界を作り上げていきます。